グリーンウォッシュを防ぎ、真の脱炭素化を促進する ブロックチェーンを活用した環境価値トレーサビリティシステム

 

 1. 環境価値の見える化と信頼性向上の重要性 

企業の脱炭素化への取り組みが加速する中、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー対策による CO2 削減効果を定量的に把握し、その環境価値を適切に評価・活用することが求められています。

しかし、環境価値の算定や管理には、データの収集・処理の煩雑さや、二重計上などの不正リスクといった課題があります。

また、一部の企業によるグリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)が問題視されており、環境価値の信頼性を確保することが益々重要になっています。

こうした課題を解決し、環境価値の信頼性を高めるためには、透明性の高いトレーサビリティシステムの導入が不可欠です。

当社は、ブロックチェーン技術を活用した環境価値トレーサビリティシステムの開発に取り組み、福岡県の補助事業である令和5年度電力トレーサビリティ証明モデル事業において、建物やEVにおける再エネ活用によるCO2削減効果の見える化と価値化の実証を行いました。

CO2削減効果の見える化の実証状況(九州工業大学戸畑キャンパスGYMLABO)

 

 2. ブロックチェーンによる環境価値のトレーサビリティ確保 

当社のシステムでは、建物の再エネ発電・消費データや、EVの再エネ充電・利用データをブロックチェーンに記録し、それらのデータに基づいて環境価値証書を発行します。

ブロックチェーンの改ざん耐性により、データの信頼性が担保され、二重計上などの不正リスクを排除できます。

これにより、グリーンウォッシュのリスクを低減し、真に環境に貢献している企業や取り組みを適切に評価することが可能となります。

また、J-クレジットなどの制度との連携も視野に入れており、ブロックチェーン上のデータを活用することで、認証プロセスの効率化や、クレジットの流通の透明性向上にも貢献します。

 3. 環境価値を起点とした地域循環モデルの実現 

当社は、環境価値証書を核とした「地域循環モデル」の実現を目指しています。

地域内で創出された環境価値を地域企業が購入・活用することで、地域経済の活性化と脱炭素化の同時実現を図ります。

さらに、電力ひっ迫時の節電インセンティブとして環境価値証書を活用することで、需給調整と環境配慮行動の促進を両立するデマンドレスポンスの仕組みも実証しました。

デマンドレスポンス実証でのウォレット利用状況(九州工業大学戸畑キャンパスGYMLABO)

 

当社のシステムは、企業の環境価値の見える化と信頼性向上に寄与するだけでなく、環境価値を起点とした新たな経済循環の創出にも貢献します。

脱炭素化とサーキュラーエコノミーの実現に向け、環境価値トレーサビリティシステムの普及に取り組んでまいります。

ご関心をお持ちの企業・自治体の皆様は、お気軽にお問い合わせください。

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