マリンカーボンブロッキングサービス提供に向けて
ウェザーニューズ社と共同研究

二酸化炭素排出量削減への貢献の可視化から
カーボンオフセットの二次流通市場へつながる可能性

■ウェザーニューズ社のしごと

スマホを活用している皆さんなら、一度はウェザーニューズという名前を聞かれたことがあるかと思います。
天気予報の会社という認識かと思いますが、実はウェザーニューズ社のしごとは、天気予報だけに留まりません。

端的に言いますと、ウェザーニューズ社はリアルタイムな情報と膨大なデータベースからなる気象情報を活用した様々なサービスを提供しています。
例えば、私たちの住む町のお天気だけではなく、港湾・海上の作業の安全性の為の海上気象や漁船のバックアップの為の水産気象、現在の経済を支えるサプライチェーン管理のための物流気象など、多岐に渡るバックアップサービスが提供されています。

その中でも、航海気象というサービスがあります。
ウェザーニューズ社は過去半世紀、計100万に渡る船舶の航海をバックアップしています。
現在では年間約10,000隻以上の航海を全世界で支援しています。

■気象情報による、船舶運航の最適化

ウェザーニューズ社の持つ世界中の気象情報によって、船舶はどんなメリットを受けることができるのでしょう。
船舶会社は、船舶の配備及び運航スケジュールの最適化によって無駄なコストを抑える必要があります。
また、もちろん時間コストや燃料コストも無駄に消費することは許されません。

そのような状況の中、ウェザーニューズ社が持つ情報がもたらす配船・コース選択への最適化は欠かせないものになっています。
実は、船舶運航に関わる気象以外の情報として、管理下における全船の位置情報、氷山などの海象情報、海賊に関する情報、そして地震が発生した場合の津波警戒情報の伝達に至るまで、全てを網羅して支援をしているのです。

これらの情報がもたらす最適化により、使用する燃料を最小限に抑えることができ、二酸化炭素排出量の削減にそのままつながります。

■地球環境への貢献

気候変動の抑制への取り組みが世界中で行われていますが、これは海運業も例外ではありません。
温室効果ガス排出量の測定・報告・検証(MRV)の制度が検討されており、EUでは2015年7月からMRV制度の具体的規則が発効され、他にも様々な機関で制度が開始されようとしています。
ウェザーニューズ社ではこういった背景を受け、環境貢献を促進する新サービスの提供を始めようとしています。

■新サービス「マリンカーボンブロッキング」提供への共同研究

上記のような時代背景を受け、海運業界のCO2排出削減量を客観的に評価する新サービス「マリンカーボンブロッキング」の提供に向けた研究を、2019年末からウェザーニューズ社と弊社が共同で行うことになりました。

現在でも、二酸化炭素排出量の削減は行われていますが、ウェザーニューズ社のように貢献した各社へ還元されていないのが現状です。
そこで、関係各社が地球にどれだけ貢献しているのかという価値を、貢献度に応じて成果を可視化しようという試みが始まっています。

この試みは、業界全体の流れの先頭を走る取り組みです。海運業界には国際海事機関(IMO)があり、この機関が2050年までに二酸化炭素排出量を2008年対比で50%削減する目標を設定しました。そのため、船舶会社はどの様に削減するかが課題になっており、世界的にもその動きは現れてきています。

そこでウェザーニューズ社と弊社は二酸化炭素排出の削減量を、蓄積されたデータと独自のノウハウで測定し、ブロックチェーン上にコインにして記録することで可視化するサービスとして、「マリンカーボンブロッキング」を弊社のブロックチェーン技術を用いることで実現・提供できるように共同研究を重ねてきています。

■業界を超えたカーボン・オフセットコイン

このブロックチェーン上に記録されたコインは、業界を超えてカーボンオフセットとして利用することが可能です。
二次流通市場ができる可能性を見据え各社が賛同し、協力することでそれぞれが納得できるルールの上で納得できる量のコインを獲得でき、しかもそれらを透明性を持って運用するためにブロックチェーン技術は非常に親和性が高いものです。

■見えなかったものを見えるように

今まで可視化が難しく、運用することが不可能だったものがブロックチェーン技術を用いることで可視化され、運用の可能性が広がることで定量的な価値を付加することができる。これがブロックチェーンの持つ新たな可能性の一つです。

<参考文献>
chaintope著 「ブロックチェーンがひらくあたらしい経済」 幻冬舎刊
ウェザーニューズ株式会社 2019年12月25日付けニュース
「海運業界のCO2排出削減量を客観的に評価する新サービス「マリンカーボンブロッキング」提供に向けた共同研究を開始」